
「画像生成AI、面白そうだけど何だか難しそう…」と、一歩を踏み出せずにいませんか? この記事では、そんな完全初心者の方に向けて、無料で使える画像生成AIの始め方から、イメージ通りの画像を作る魔法の呪文「プロンプト」のコツまでを、誰でもわかるように丁寧に解説します。
専門知識は一切不要です。この記事を読めば、AIの基本的な仕組みや始め方が理解できます。読み終える頃には、ツールの使い方への不安は消え、あなたもAIで最初の1枚を創り出せるようになっています。創造する楽しさを、今日から体験してみましょう。
そもそも画像生成AIとは?初心者にもわかる基本

「画像生成AIって、最近よく聞くけど一体何なの?」と感じている方も多いでしょう。ここでは、技術的な難しい話は抜きにして、画像生成AIの基本をわかりやすく解説します。
テキストがイラストに変わる!画像生成AIの簡単な仕組み
画像生成AIとは、一言でいえば「テキスト(文章)で指示するだけで、AIがオリジナルの画像を自動で作成してくれる技術」のことです。
まるで魔法のように聞こえますが、AIは事前に膨大な数の画像と、それに関連するテキスト情報を学習しています。私たちが「夕焼けの海と猫」と指示を出すと、AIは学習したデータの中から「夕焼け」「海」「猫」という要素を理解し、それらを組み合わせて全く新しい一枚の絵を描き出してくれるのです。
絵を描くスキルや高価なソフトは必要ありません。必要なのは、あなたの「こんな画像が見たい」というアイデアだけです。
イメージを伝える呪文「プロンプト」が何より重要
画像生成AIを使いこなす上で、最も大切なのが「プロンプト(Prompt)」です。プロンプトとは、AIに画像のイメージを伝えるための「指示文(呪文)」のことです。 このプロンプトの出来が、生成される画像のクオリティを大きく左右します。
簡単なプロンプト: 猫
→ AIは何を描けばいいか分からず、ありきたりな猫のイラストを生成します。
具体的なプロンプト: ソファの上で丸くなって眠っている、ふわふわの三毛猫、水彩画風
→ AIは具体的なイメージを掴み、あなたの理想に近い高品質な画像を生成します。
この記事の後半では、このプロンプト作成のコツを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
無料でどこまでできる?有料プランとの違いは?
「どうせお金がかかるんでしょ?」と思うかもしれませんが、多くの画像生成AIサービスには無料プランが用意されています。
無料プランでは、1日に生成できる枚数に制限があったり、生成に少し時間がかかったりすることがあります。一方、有料プランでは、生成枚数が無制限になったり、より高機能な設定が使えたり、生成速度が速くなったりするのが一般的です。
しかし、初心者が「画像生成AIを試してみたい」というレベルであれば、無料プランで十分すぎるほど楽しめます。まずは無料で始めて、物足りなくなったら有料プランを検討するのがおすすめです。
誰でも簡単!イメージ通りになるプロンプト作成の5つのコツ

良い画像を作るには、良いプロンプトが不可欠です。ここでは、具体的な5つのコツを紹介します。
コツ① 基本の型「被写体+詳細+背景+スタイル」を意識する
良いプロンプトには、基本的な「型」があります。以下の4つの要素を、英語または日本語でカンマ区切りで並べることを意識してみてください。
最も中心となる主役は何か。(例:a cat, 一人の女性)
被写体の特徴、服装、表情、ポーズなど。(例:wearing glasses, 笑顔で手を振っている)
被写体がいる場所や状況。(例:in a library, ネオンが輝く夜の東京)
全体の画風やテイスト。(例:watercolor painting, アニメ風, 写真のようにリアル)
この型に当てはめるだけで、AIへの指示が格段に具体的になります。
コツ② 具体的に、もっと具体的に!良いプロンプトと悪いプロンプト
AIは、あなたが言わなかったことは描けません。「こんなの常識でしょ?」と思っても、AIには通じないのです。具体的であればあるほど、画像のクオリティは上がります。
悪い例 👎 a girl
(生成結果:誰だかわからない、漠然とした女の子のイラスト)
良い例 👍 笑顔の日本人アイドル、ツインテールの髪型、ピンクのステージ衣装、ライブ会場でマイクを持って歌っている、背景にスポットライト、アニメ風
(生成結果:アイドルの特徴や状況が明確に反映された、クオリティの高いイラスト)
コツ③ コピペOK!品質を上げる「魔法の言葉」テンプレート集
プロンプトの最後に付け加えるだけで、不思議と画像のクオリティがグッと上がる「魔法の言葉」があります。まずはこれをコピー&ペーストして使ってみてください。
とにかくクオリティを上げたい時
masterpiece, best quality, high quality
リアルな写真のようにしたい時
photorealistic, ultra realistic, 8K
アニメ風イラストにしたい時
anime style, key visual, vibrant
雰囲気を出したい時
dramatic lighting(劇的な照明), cinematic(映画のような)
使用例: a cat, masterpiece, best quality
コツ④ 「やってほしくない事」を伝えるネガティブプロンプトとは?
多くの画像生成AIツールでは、「これを描いて」という指示(ポジティブプロンプト)だけでなく、「これを描かないで」という指示(ネガティブプロンプト)も設定できます。
例えば、人物を生成した時に「手が崩れる」「指が6本になる」といった失敗はよくあります。そんな時にネガティブプロンプトで bad hands, extra fingers と指定すると、そうした失敗を避けることができます。
よく使われるネガティブプロンプトの例:
- low quality, worst quality(低品質を避ける)
- blurry(ぼやけを避ける)
- text, signature(余計な文字や署名を避ける)
- bad anatomy(不自然な人体の構造を避ける)
コツ⑤ プロンプトの参考にしたいサイト・ツール
最初はどんなプロンプトを書けばいいか思いつかないものです。そんな時は、他の人の優れた作品やプロンプトを参考にするのが上達への一番の近道です。
ツールのギャラリー機能が非常に優秀。気に入った画像のプロンプトをコピーできます。
日本の大手イラスト投稿サイト。多くのAI生成作品にプロンプトが公開されており、投稿・閲覧文化が活発です。
【重要】知らないと危ない!画像生成AIの著作権と商用利用

最後に、画像生成AIを安心して楽しむために、非常に重要な「権利」の話をします。難しく感じるかもしれませんが、トラブルを避けるために必ず知っておきましょう。
生成した画像の著作権は誰のもの?文化庁の見解は
AIと著作権の関係は現在も議論が進められていますが、現時点での文化庁の見解(※)を要約すると、「AIが生成した画像に、人間の思想または感情の創作的な表現(=創造的な寄与)が認められれば、その人(AI利用者)に著作権が発生する可能性がある」とされています。
つまり、単に「猫」と入力しただけでは著作権は認められにくいですが、プロンプトに数多くの試行錯誤や工夫を凝らした場合は、あなたの「作品」として著作権が認められる可能性がある、ということです。ただし、これはまだ議論の途上にある分野であることを覚えておきましょう。
※出典: 文化庁「AIと著作権に関する考え方について(令和6年3月時点)」
商用利用はOK?ツールごとの利用規約を確認しよう
生成した画像をブログの収益記事や、商品のパッケージなどに使いたい場合(商用利用)は、特に注意が必要です。
商用利用できるかどうかは、あなたが使った画像生成AIツールの利用規約によります。
- Adobe Firefly
商用利用OKと明言しています。 - Microsoft Designer (Copilot)
Microsoftの規約に基づき商用利用が可能です。 - SeaArt
有料プランや有料クレジットでの生成など、条件付きでOKな場合があります。
このように、ルールはツールごとに全く異なります。「このツールはOKだったから、こっちも大丈夫だろう」という判断は非常に危険です。必ず、利用するサービスの最新の利用規約を自分の目で確認する習慣をつけましょう。
トラブル回避のために絶対にやってはいけないこと
以下の行為は、著作権侵害などのトラブルに発展する可能性が非常に高いため、絶対に避けてください。
- 既存の漫画・アニメのキャラクターや、芸能人の名前をプロンプトに入れること。
- 他人が著作権を持つイラストや写真を、無断でAIに読み込ませて画像を生成すること(i2i機能など)。
- 利用するAIサービスの規約で禁止されている著名人やキャラクターの名前などをプロンプトに含めること。
個人の範囲で楽しむ場合でも、生成した画像をSNSなどで公開する際は、他者の権利を侵害していないか細心の注意を払いましょう。
まとめ

本記事では、画像生成AIの基本から、初心者におすすめの無料ツール、そして思い通りの画像を創り出すプロンプトのコツまでを詳しく解説しました。
- 画像生成AIは、テキストの指示(プロンプト)で絵を描いてくれる魔法の技術
- プロンプトは「具体的」に、「型」を意識するのが上達のコツ
- 著作権や商用利用は、ツールの規約を必ず確認する
「難しそう」という最初の壁を乗り越えれば、そこにはあなたのアイデアが形になる、無限の創作の世界が広がっています。今回ご紹介したツールを使って、まずは簡単なプロンプトで、あなただけの最初の1枚を生成してみてください。
きっと、その面白さに夢中になるはずです。さあ、AIと一緒に新しい創作活動を始めましょう!